気温が低く、乾燥する冬。肌にとっては1年でもっともシビアな季節です。かさつく、ハリがない、キメが乱れる、透明感がない・・・冬の肌は、悩みのオンパレード。この季節にしっかりとケアすることが大切です。冬の肌の悩みの原因を知り、スキンケアの基本をおさらいしましょう。
肌の水分量や皮脂分泌量は、1年の気候の変化に伴い、大きく変動します。
冬の肌トラブルは、気温と湿度の低下によって引き起こされます。気温も湿度も低下する11月〜1月は、皮脂の分泌量が最低になり、水分の蒸散量は急速に増加します。こんな環境では、肌はまるでドライフルーツ状態に。この季節は十分に水分を浸透させ、油分で薄くベールを作る保湿・保護が必要です。

1年間の肌リズムは、植物の成長に似ています。春から夏の成長する時期と、秋から冬にかけての蓄える時期の2つの期間があります。その繰り返しが年輪のように、肌に刻まれてゆくのです。秋冬は、肌の新陳代謝が低下することから、ハリのない、キメの乱れた、透明感のない肌状態に陥ってしまいます。
なぜ、冬の肌は新陳代謝が落ちるのでしょうか。その最大の原因が、末梢血流の低下です。夏はからだを冷やすために、皮膚表面の血流を増やし、汗をかいて熱を放出しようとします。しかし、冬は気温の低下に伴って体温が下がってしまうと、凍死してしまいます。そこで、基礎代謝をアップ、つまりエネルギーを燃やして、体温を維持しようとします。
皮膚の表面や手足の末端部分は、体温を奪われないように、血液の流れる量を制限します。その結果、皮膚には十分な栄養が行き届かず、肌細胞の新陳代謝が落ちるのです。

肌細胞の新陳代謝が落ちると、ターンオーバーのリズムも乱れがちに。皮膚のバリア力を生み出す角質層は危機的状態に陥ります。
冬は、血行不良が原因で皮脂の生成、分泌量も少なくなり、ますます肌のバリア力が低下します。冬の皮膚トラブルでよく見られる「しもやけ」も、血行不良が原因で起こります。

肌を取り巻く環境で、最も注意を要するのが湿度の低下。つまり、「乾燥」です。
グラフからわかるように、6、7月が1年のうちで最も湿度が高く、12月から2月にかけて低くなります。この時期は、保湿の完全装備が必要です。普段はべたつく化粧品は嫌いだという人も、ある程度、油性の保湿成分を含むクリームが、必須アイテムになります

一般に「湿度」といわれるのは、「相対湿度」を指します。1立方メートルの空気中の水分量(絶対湿度)を、空気中に含むことができる最大の水分量(飽和水蒸気量)で除した数値を「相対湿度」といいます。
飽和水蒸気量は気温によって変動し、温度が上がると大きくなります。もともと水分量が少ない場所で、空気だけが暖められると、相対的に水分量が減少します。
ですから、たとえば室温が10℃で相対湿度が50%の部屋を暖房で暖めて25℃にすると、相対湿度は半分以下の20%になってしまい、どんどん水分が失われていくのです。暖房をしている室内は特に肌の乾燥に注意してください。

気温も湿度も低下する、そんな季節こそ、スキンケアの基本を見直しましょう。冬はクリームを使う量が増え、クリームに頼るあまり、基本の水分補給、つまりクリーム以前の保湿がおろそかになる傾向があります。スキンケアの基本である水分の多いローションから、徐々に油性成分の多いクリームをつけてゆくステップをしっかりと守りましょう。

スキンケア用語には、「モイスチャー」と「エモリエント」ということばがあります。日本では、一般的に「モイスチャー」は水性成分による「保湿」を、「エモリエント」は油性成分による皮膚の「保護」の効果を表します。
この順番を間違えると、油性成分が邪魔をして、水性成分が浸透できなくなってしまいます。
クリームをつける前に浸透力の優れたローションをたっぷり使い、その上にふたをするようにクリームを薄くのばして使うのが、正しい使い方です。

「エモリエント」の意味は、英語で「柔らかくする」ということです。つまり、欧米人は、皮膚は油で柔らかくするという感覚を持っているのです。それに対し、湿気が多く、欧米人に比べて角質層が薄い日本人にとっては、「皮膚は水で柔らかくするもの」という感覚があります。そこで、保湿化粧水を「柔軟」化粧水と呼ぶようになったのです。
冬こそ、基礎である保湿にしっかり力を入れて、最後に油性成分の多いクリームを少量使いましょう。さらに、ときどき肌細胞の新陳代謝を促すパックを使えば、保湿効果もUPして、理想的な冬肌対策ができます。














